ナカムラ式波力発電の研究につきましてご紹介します。

現在開発中の小型翼車による発電装置を示しています。水面に浮かぶフロートの下方１～２ｍに翼車（プロペラ）を付け、翼車の軸はフロート上に設置した発電機に連結されています。波により水面が上下するとフロートも波と共に上下し、翼車も水面１～２ｍで上下します。この時、水面下１～２ｍの水は水面の波に比べあまり動かず静止している状態ですので、翼車は相対的に静止流体中を上下に動くことになり回転します。ただし、このままでは、翼車は波の上下運動に従って正回転と逆回転を行うため発電効率は上がりません。開発中の装置では、発電効率を上げるため、正回転をする翼車と逆回転をする翼車を作製し、それぞれに一方向クラッチを取付けこの2個を発電機軸に取り付けています。このような工夫により波が上下運動をしても発電機が常に一方向（正方向）に回転するようにして発電効率を高めています。　　

この度、ナカムラはこの発電装置で特許を取得しました（登録日2022年3月14日）。現在はこの装置に関する水槽実験を行っており、自転車用発電ランプを点灯する電力を得ています。今後は更なる装置改良を加え海上実験を行う予定です。